盤を制する考え方

チュンジーは駒の展開が速く、序盤の数手で形勢が大きく動きます。
まずは「強い駒を早く働かせる」――これが上達の第一歩です。

序盤の3つの基本原則

  1. 車(キー)を早く活用する。もっとも強い駒。盤の端で眠らせず、 縦の線を開けて素早く戦線へ。一般に「車の働きが勝敗を分ける」といわれます。
  2. 馬(ウマ)と砲(ファー)を中央に向けて連携させる。 馬は跳ねて前線へ、砲は相手陣をにらむ位置へ。互いの利きが重なると攻撃力が一気に増します。
  3. 王(ヲー)の安全を保つ。士(シー)と象(サン)でグスクの守りを固め、 攻めに夢中になって自陣ががら空き、ということを避けます。
守りの目安:士2枚・象2枚がそろっていると王は格段に堅くなります。 逆に相手の士・象を1枚ずつはがしていくと、終盤の寄せが楽になります。

代表的な序盤定石

当頭炮(とうとうほう)― 中央の砲で攻める

もっとも人気のある積極的な作戦。最初に砲を盤の中央の縦線へ動かし、 相手の中央の兵(チク)と王をまっすぐにらみます。攻めの主導権を取りにいく、わかりやすく力強い指し方です。 初手から主導権を握りたい人におすすめです。

河 卒 砲 中央をにらむ

屏風馬(びょうぶば)― 二枚の馬で受ける

当頭炮に対する、もっとも基本的で堅実な受けの作戦。2枚の馬を左右対称に跳ね、 中央の兵を二枚の馬で屏風のように守ります。バランスがよく、初心者から上級者まで広く使われる 王道の布陣です。攻めの当頭炮 対 受けの屏風馬は、チュンジー・シャンチーの“横綱どうしの組み合わせ”です。

兵 馬 馬 二枚の馬が中央の兵を守る

そのほかの作戦

飛象局(ひぞうきょく):初手で象を中央に上がる、ゆったりした手堅い作戦。 急戦を避けてじっくり構えたい人向き。
仙人指路(せんにんしろ):初手で兵を一つ突き、相手の出方を見てから方針を決める柔軟な指し方。 相手の作戦に合わせて当頭炮にも屏風馬にも変化できます。

中盤の戦い方

  1. 駒の損得を数える。おおよその目安は、車=9、砲=4.5、馬=4、象・士=2、兵=1〜2(河を渡ると価値が上がる)。 交換するときは「より高い駒を、より安い駒で取れているか」を考えます。
  2. 砲は台(砲台)とセットで使う。砲は前に駒がないとただの移動駒。 味方の駒や相手の駒を“台”にして、はじめて攻撃力を発揮します。台が外れると一気に力を失う点に注意。
  3. 馬は足止めに弱い。相手の馬の足元に駒を置いて動きを止める、 逆に自分の馬は足が止められない場所へ運ぶ――この駆け引きが中盤の勝負どころです。
  4. 河を渡った兵(チク)は貴重な戦力。横にも動けるようになった兵は、 相手の士・象をはがしたり、終盤で王を直接攻めたりと大活躍します。

終盤・寄せのコツ

  1. 守り駒をはがす。相手の士(シー)・象(サン)を取っていくと、グスクが手薄になり詰ませやすくなります。
  2. 車で王を縛る。車を相手の王の前の縦線・横線に利かせ、逃げ道を一本ずつ消していきます。
  3. 「対面の禁」を武器にする。両王が同じ縦線で正面に向き合えないルールを利用し、 相手の王を動けない位置へ追い込みます。最後の詰めでよく決まります。
  4. シーケーサー(千日手)に注意。優勢でも、王手を繰り返して同じ局面を3回作ると 仕掛けた側の負け。攻めるときは必ず局面を進める手を選びましょう。
「残局」で力をつける:チュンジー・シャンチーには 終盤の詰め問題集「残局(ざんきょく)」があります。少ない駒で正確に寄せる練習は、 実戦の終盤力をぐっと高めてくれます。

覚えた作戦を試そう

当頭炮で攻めるもよし、屏風馬で受けるもよし。久米村の偉人を相手に実戦で確かめましょう。